窓の選び方を徹底解説!「防犯・防災・おしゃれ」に強い窓を探してみよう
家を建てるとき、外観にも内装にも影響を与える窓は考えどころですよね。機能性も重視したいけれど、かといってデザインを無視したくはない。そんなときには、防犯・防災・おしゃれの3つのポイントを意識してみましょう。どこの窓にどの要素を強く出すのか考えると、理想の窓にたどり着くかもしれません。この記事では、この3ポイントに絞った窓の決め方をご紹介していきます。良かったら、参考にしてみてください。
家の防犯対策を考える上で、窓の選び方は非常に重要です。窓は泥棒が侵入する最も一般的な経路であり、その対策を強化することで、家の安全性を大きく向上させられるからです。窓選びには、窓ガラスの種類、サッシの素材、防犯フィルム、さらには防犯格子など、さまざまな要素が関わっています。では、それぞれの防犯対策の要点について見ていきましょう。
防犯ガラスは、侵入者が窓を割って侵入するのを防ぐために設計されたガラスです。一般的な窓ガラスは、ハンマーやバールなどで簡単に破壊されてしまうため防犯性能が低いですが、防犯ガラスは破壊されにくい特徴を持っています。特に、以下のようなガラスの選び方が防犯対策として有効です。
強化ガラスは通常のガラスに比べて、約3~5倍の強度を持つガラスです。表面に圧縮応力がかかることで、割れにくくなっています。万が一割れた場合でも、強化ガラスは細かく砕けるため、鋭利な破片が発生せず怪我を防げます。しかし、防犯性能の面では強化ガラスだけでは不十分です。時間がかかるものの、根気強く攻撃を続けることで破壊されてしまうことがあります。
複層ガラスは、2枚以上のガラスの間に空気やガスを挟んだ構造を持つガラスです。防犯性能だけでなく、断熱性能や遮音性能も高いのが特徴です。防犯目的で使用する場合、ガラスの厚みや材質に注意が必要です。薄いガラスでは防犯性能が十分でないため、複層ガラスでも外側のガラスを強化ガラスにするなどの工夫をすると良いでしょう。
防犯合わせガラスは、2枚以上のガラスの間に強靭な中間膜を挟んだガラスです。この中間膜があることで、ガラスが割れても中間膜が割れを防ぎ、侵入者がガラスを突破しにくくなるのです。防犯合わせガラスは防犯性能が非常に高く、家庭用の防犯窓としておすすめです。特に、警察庁が推奨するCPマーク(Crime Preventionマーク)付きの防犯合わせガラスは信頼性が高く、選ぶ際にはぜひ確認しておきたいポイントです。
窓ガラスだけでなく、サッシ(窓枠)の素材選びも防犯において重要なポイントです。サッシはガラスを支える枠部分であり、泥棒がバールなどを使ってこじ開ける際に狙われるポイントでもあります。以下は、主なサッシの素材とその防犯性能についての比較です。
アルミサッシは、一般的に多くの住宅で使用されている素材です。軽量で耐久性が高い一方で、防犯性能はそれほど高くありません。アルミは柔らかい金属であるため、バールでこじ開けられやすい欠点があります。そのため、アルミサッシを使用する場合には、その他の防犯対策を併用しないといけません。
スチールサッシはアルミよりも強度が高く、こじ開けに対して比較的強い素材です。ただし、スチールは錆びやすいため、メンテナンスが必要です。また、断熱性能やデザイン性の面ではアルミサッシに劣ることがありますが、防犯性を重視する場合にはおすすめの選択肢となります。
樹脂サッシは近年人気のある素材で、断熱性能や気密性能が非常に高いことが特徴です。防犯性能の面では、アルミサッシに比べてこじ開けに対してやや強いとされていますが、スチールサッシには劣るため、他の防犯対策を併用すると良いでしょう。
アルミ樹脂複合サッシは、外側がアルミ、内側が樹脂でできたサッシです。防犯性能、断熱性能、耐久性のバランスが取れているため、近年多くの新築住宅で採用されています。外側のアルミが強度を高め、内側の樹脂が断熱性能を向上させるため、機能性を重視する方におすすめです。
家の防災対策を意識して窓を選ぶパターンも考えてみましょう。地震や台風、火災など、自然災害が発生した際、窓がどの程度の耐久性や防災機能を持つかによって、家全体の安全性が大きく左右されます。また、窓ガラスの破片や風圧による被害、さらには火災時の避難経路としての役割も考慮する必要があります。ガラスの種類、サッシの素材、補強方法、さらに避難経路としての観点から詳しく見ていきましょう。
防災においても、窓は重要な役割を果たします。地震や強風による圧力で窓ガラスが破損すると、その破片が内部に飛び散り、住居内の人々に重大なけがを負わせる可能性があります。さらに、窓ガラスが割れると、外部の風雨が直接室内に侵入し、家屋内の被害が拡大する恐れもあります。そのため、以下のような防災に優れた窓ガラスを選ぶことも考えてみましょう。
強化ガラスは防犯面でも紹介しましたが、その名の通り、通常のガラスよりも強度が高いのが特徴です。特に、地震や台風などの外力に対して耐える能力があり、割れにくい点で防災対策として非常に有効です。また、万が一割れた場合でも細かい粒状に砕けるため、飛び散る破片によるけがのリスクが大幅に軽減されます。
飛散防止フィルムをガラスに貼ることで、地震や強風でガラスが割れても破片が飛び散りにくくなります。フィルムはガラスに密着し、割れた際の破片をその場に留める役割を果たします。このフィルムは既存のガラスにも簡単に貼ることができ、コストを抑えて防災対策を強化する手段としておすすめです。フィルムに関しては、以下の2つの注意点があります。
防災フィルムを選ぶ際には、厚さが重要になってきます。一般的には、100μm以上の厚さのフィルムが防災効果を発揮します。厚さが薄いフィルムでは、ガラスが割れた際にフィルムが破れてしまい、飛散防止効果が不十分となることがあります。そのため、しっかりとした厚みのあるフィルムを選びましょう。
防災フィルムの効果をきちんと発揮させるためには、正しく貼らないといけません。フィルムは、窓全体に均等に貼り付ける必要があり、隙間ができると効果が半減してしまいます。特に、大きな窓の場合や窓が多い場合は、専門業者に依頼してフィルムを貼り付けることを検討しても良いでしょう。
窓の補強策として、窓の周囲に補強ブレースを設置することも考えてみてはいかがでしょうか。補強ブレースは、地震時の窓枠の変形を防ぎ、窓全体の強度を高める効果があります。また、強風時の圧力にも耐えられるため、台風対策としても有効です。築年数の経った住宅では、窓枠が老朽化している場合があるため、補強ブレースの設置を検討することもあります。
窓は家の外観や内装の印象を大きく左右します。機能性だけでなく、デザイン性も考慮して窓を選べば、住まいの価値を高めることができるでしょう。ここからは、おしゃれな窓の選び方について、いくつかのポイントをご紹介します。
近年人気を集めているのがフレームレスデザインの窓です。従来の窓枠を極力減らし、ガラス面を最大限に広げることで、開放感のある洗練された印象を与えます。リビングや寝室など、くつろぎの空間に適しています。
フレームレスデザインの特徴は洗練された現代的な外観で、室内により多くの自然光を取り入れられることや、屋内外の境界線を曖昧にし、空間の広がりを感じさせる点が人気です。
ただし、フレームレスデザインは構造上の制約があるため、大きさや設置場所に制限がある場合があります。また、気密性や断熱性の面で従来の窓より劣る可能性があるため、使用する場所や地域の気候を考慮する必要があります。
和モダンや洋風の家屋に調和する格子デザインの窓も、おしゃれな選択肢の一つです。格子のパターンや素材を工夫することで、クラシカルな雰囲気から現代的な印象まで、幅広いデザインが選べます。
格子デザインのバリエーションは複数あり、例えば、縦格子なら伝統的な和風の印象を与えます。逆に、横格子はモダンな印象を与え、空間を広く見せる効果があります。格子窓はヨーロピアンスタイルの家屋によく合うでしょう。
また、格子デザインはプライバシーの確保にも一役買ってくれます。一階の窓や道路に面した窓に使用するのがおすすめです。
窓枠の色を工夫することで、家全体の印象を大きく変えられます。従来の白やシルバーだけでなく、黒やダークブラウンなどの落ち着いた色、あるいは鮮やかな色を選ぶことで、個性的な外観を作り出せます。
カラーフレームの選び方で重要なのは、外壁の色との調和を考えることです。その後、室内のインテリアにマッチする色を選び、窓の大きさや数に応じて主張の強さを調整しましょう。
例えば、白い外壁に黒い窓枠を合わせるコントラストの強いデザインは、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。一方、木目調の窓枠は自然な温かみのある雰囲気を演出します。
四角形以外の形状の窓を取り入れることで、ユニークでおしゃれな外観を作り出せます。アーチ型の窓はクラシカルな雰囲気を、円形の窓は遊び心のある印象を与えます。
特殊形状の窓の活用例には、玄関上部にアーチ型の窓を設置し、開放感を演出するものもありますし、バスルームや階段の踊り場に円形の窓を配置し、アクセントをつけたりもできます。また、ガレージや物置のドア上部に半円形の窓を取り付け、デザイン性を高める方法もあります。
ただし、特殊な形状の窓は、カーテンやブラインドの取り付けが難しい場合があるので、プライバシーや遮光の対策を事前に考えておく必要があります。
大きな開口部を持つ窓は、室内に光を取り入れ、開放感のある空間を作り出します。特に、庭や自然豊かな環境に面した部屋に大開口の窓を設置すると、窓の内と外の境目がない、リラックスできる空間になります。
大開口窓の種類にも複数あり、引き戸タイプなら広い開口部を確保でき、室内と屋外の一体感を演出できます。フォールディングドアは複数のパネルを折りたたむもので、大きな開口部を作れます。また、コーナー窓は部屋の角に設置し、二方向からの眺めを楽しめます。
大開口の窓を設置する際は、断熱性や気密性にも注意が必要です。高性能なガラスや複層ガラスを使用するなど、エネルギー効率も考慮しましょう。
芸術性の高いステンドグラスを取り入れることで、窓そのものをインテリアの一部として活用する方法もあります。色とりどりのガラスが作り出す光の演出は、室内に独特の雰囲気をもたらしてくれるでしょう。
ステンドグラスの活用方法にもいくつかあります。玄関ドアの一部にステンドグラスを組み込み、華やかさを演出するのも良いですし、リビングの高窓にステンドグラスを使用し、アクセントをつけることもできます。階段の踊り場の窓に設置すれば、光の演出を楽しむこともできるでしょう。
ステンドグラスは、デザインや色使いによって様々な印象を作り出せます。和風の家屋には和柄のステンドグラス、モダンな空間には幾何学模様のデザインなど、家の雰囲気に合わせて選びましょう。
窓そのものだけでなく、窓辺のデザインにもこだわることでおしゃれな空間を作り出せます。例えば、出窓を設けて読書スペースを作ったり、窓下にベンチを設置したりすることで、機能性とデザイン性を両立できます。
窓辺のデザインは、室内の機能性を高めるだけでなく、外観からも魅力的に見えるポイントになります。
おしゃれな窓を選ぶ際は、家全体のデザインコンセプトとの調和を考えてみましょう。また、機能性とデザイン性のバランスを取りつつ、自分らしさを表現できる窓を選ぶと後悔しません。窓は家の「目」とも言えるパーツです。慎重に選ぶことで、住まいの価値を大きく高められるでしょう。
窓選びは家づくりの重要なプロセスの一つです。専門家のアドバイスも参考にしながら、じっくりと検討を重ねることをおすすめします。その際には、それぞれの部屋の役割を意識してみてください。機能性に振り切るのか、それともおしゃれな窓を取り入れるのか、それとも値段が高くても良いからと機能性とデザイン性を両立させるのか、色々な選択肢があります。皆さんが、納得の行く選択肢を見つけられるよう願っています。
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